2015 ハイライト

2015年はハリバンアワードにとって二回目の年でしたが、この画期的な賞は選ばれた写真作家一名に、 京都の便利堂コロタイプ工房の熟練の職人ととも制作をするという機会を 主催者が提供するというものでした。審査員は Michael Hoppen (Michael Hoppen ギャラリー, Shine ギャラリー), Amanda Maddox (J. Paul Getty 美術館写真部門、アシスタントキュレーター), Lucille Reyboz (Kyotographie 京都国際写真祭オーガナイザー)、伊藤剛(Project Basho/ONWARDプログラムディレクター)でした。 初年度である2014年の圧倒的な成功もあり、コンペティションには世界中の写真作家からの応募あり、コンペティションは質と人気共に大きく成長しました。

受賞者

最優秀賞

Antony Cairns(アントニー・ケーアンズ)[www.antony-cairns.co.uk]

アントニーはロンドンのイーストエンド地区に生まれ、若くして故郷の写真を撮り始めた。以来、故郷は彼にインスピレーションを与えて続けてきた。彼は、ロンドン・カレッジ・オブ・プリンティングを卒業、作品はイギリス、ヨーロッパ、アメリカで広く発表されている。彼が創り出すロンドンの像はまるで大気のような、微妙な雰囲気があるが、それは彼のモノクロのアナログ写真の修練、古びたものに対する憧憬、そしてオルタナティブプロセス/古典印画法の力によって作られたものである。アントニーの作品はRoman Road(ロンドン)と Stieglitz 19 (アントワープ) が扱っている。

Antony Cains
Antony Cains

審査員特別賞

Irene Nelson (イレーネ・ネルソン):イレーネは写真、版画、ペインティングを含むマルチメディアを使う作家である。 彼女の繊細で瞑想的なイメージは、「日々の生活で、彼女が捕まえた瞬間を固定し観察するのだ。」

Irene Nelson
Irene Nelson

関薫(せき・かおる): 関薫は日本で発表してきた。写真展に「9月の夏」があり、 サードディストリクトギャラリー(東京)の運営メンバーとして参加している。

Kaoru Seki
Kaoru Seki

Dan Winters (ダン・ウィンタース): ダンはアメリカ合衆国で発表して来たが、有名人のポートレイトで広く知られている。しかし一方ではジャーナリズム写真、及びサイエンス写真もとり続けている。

Dan Winters
Dan Winters

ファイナリスト

佳作には下記の6名が選ばれました。

  • Albarran Cabrera
  • Tiane Doan na Champassal
  • Cedric Friggeri
  • Dana Fritz
  • Manu Jougla
  • Marcia Micheal
  • David Shannon-Lier
  • Colin Stearns
  • Paul Thulin
  • 山縣 勉(やまがた つとむ)

Cedric Friggeri
Cedric Friggeri

審査員からの講評

アマンダ・マドックス

アルフォンス・ポワトゥヴァンが1856年に発明した印刷処理法を行っている、世界でも数少ない工房の一つである便利堂には3名の熟練印刷職人が務めています。 彼ら印刷工は作家と、あるいは作家の残した作品と直接に関わりながら、また、高品質のポストカードやその他のプリントを作成しながら、濱谷浩、森村泰昌など多様なアーティストの肖像写真を制作してきました。

彼ら熟練工、便利堂の職人は、その伝統的なやり方にとどまらず、 実験的アプローチ(そのうちの一つは、アサヒビールが関わったものがある)に関しても完璧にこなして来ました。 ハリバンアワードを開催することにより、便利堂は、より広い国際的聴衆にコロタイプ印刷を楽しむことを促し始めたばかりでなく、 曾ては人気だった印刷方法が実際に確実に行われ続けるということにも貢献しました。

マイケル・ホッペン

便利堂が提供する機会は、このイメージの制作行為を更なる段階にいざなうことです。私たちは、賞に応募されたの作品の質の良さが、多くの写真家やアーティストに便利堂の賞にもっと注目する様に、そしてインスピレーションを得るように励まされるだろうと信じています。写真の世界はデジタルのほぼ独占的な方向に向かっています – その中でこの伝統的なイメージ作りの方法が、新しい現代アーティストに提供され、手渡されることは非常に重要なことです。便利堂の専門家の助けを借りてコロタイプの方法を自分で実際に使用して始めて、アーティストは彼または彼女が自分の作品を違った形で見せるために、他にどんな道筋をとれるのかを真に発見することが出来るでしょう。他のどんなプロセスもコロタイプのようには機能しません。そしてこのユニークな方法を介して、異なる文化の間で交流が行われるということは、誠に素晴らしい機会です。

ルシール・レイボーズ

私は便利堂ハリバンアワードのための審査員を務めさせていただいたことを光栄に思います。また、ハリバンアワードの受賞作品を私たちの展覧会に関連プログラムとして、あるいは主たるプログラムとして展示できることを誇りに思います。コロタイプの技術は、私たちの祭典のビジョンと密接に関わっています。私たちは、技術革新、多様性とクラフトマンシップを奨励し、新しいものと古いものを結びつけるために努力しています。 便利堂とハリバンアワードは、写真に何かを与えるでしょう。そして、そのやり方は、写真家達に新しい次元の仕事を探索する機会を持たせます。そしてコロタイプの様に、いろいろな媒体を写真家が探索したいと思う様になれば良いなと思います。

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